思い巡らし

2022-03-26

思い巡らし


ちょっと暗い話。
日々、安定した生活を送れてビデオゲームをたしなみながら生きていける身分なわけですが。

 

ここ最近、  itch.io のウクライナ支援ゲームバンドルを購入しました。
とくに支援の意図があるわけではなく、逆に持ち合わせないわけでもなく。
ただ単に自分の好きなゲームのジャンルの詰め合わせがコスパ良く販売されていたので買った、ということです。

バンドル自体の収益の使用用途は、医療・子どもへの支援と用途を明確にされているので、もちろん、そこに私はぜんぜん反対しませんし、戦いの一方的な被害者・弱者へのサポートとなるので、そりゃ悪い気持ちなんて持ちようがありません。

しかし対峙するロシア(軍)側からすると明らかな支援のわけで、余力を持たせることにつながり、戦いへの直接的な支援と変わりありません。
意図があろうとなかろうと、争う両陣営の一方に与することになってしまいます。
若干ためらいながら購入したのですが、わりと積みそうなこともあり、少し後悔してしまいました。

 

「バンドルを購入して支援」という響きの良い利他的行為を隠れ蓑にして、利己的行為をなしてしまった、結局モノがついてこなければ支援することはなかっただろう、そんな気持ちしか持ち合わせていません。
弱者支援というなら、今トレンドというだけのこの国だけでなく、自分の国もロシアすらも含め、たくさんの場所で助けを必要としている人がいます。
「やらない偽善よりやる偽善」という言葉はありますが、その「偽善」が他方を害してしまうかもしれません。
より近い偽善があるのにそこを選ばない理由が、知名度の差、刺激的な取り扱いがなされているか、自分の虚栄心を満たせるか、その程度の軟弱な考えしかありません。

どうしたら、どう考えるようにしたら、何をしたら、何をせずに意識して暮らせばいいのか。
現代の科学なら太陽系の外の出来事くらいのスケールであれば、たとえその情報を得たとしても諦めがつくというものでしょうが、今回は近すぎます。
普段は意識せず国名と地理もあいまいな地域ですが、実際自分らが何かを届けることができてしまいます。


プレイは控えめになりましたがプロリーグ観戦はよく続いている LoL でも、 CIS 地域のリーグが停止してしまいました。
近年のベトナムリーグのような国際大会不参加は対感染症で仕方ないとしても、今回は人為的な政情での欠落になってしまいました。
ゲームが人を繋ぐとはいいますが、ここまで大きなプレイヤーベースを抱えている媒体が、 CIS リーグを再開させられるほどの繋がりを、果たして持っているのでしょうか。
持っていたとして政治的な手続きを踏まえたうえで、復旧させられるのでしょうか。
もしくは非政治的な手段でもって収められるのでしょうか。
政治的な関連性からは誰であろうとゲームであろうと逃れられないというコトが、私の興味のある範囲で起きてしまって突きつけられてしまって悲しいし、ゲーム上での戦闘・ファンタジーな行為から興醒めしてしまうようで悲しい。

ゲームという架空の場での遊びは、逃避なのでしょうか。


自分でどちらがより正しいか賛同できるかを判定して肩入れするのか、どちらにも与しないように避けられていると思い込んで済ますのか、両陣営を理解することができるのか、どこまで関わっていくのか。
自分らの無関心さと優柔不断さで落ち込んでしまいます。
切り詰めていくと、自分が関わり守っていく人の境界の基準にたどり着くのかもしれませんが、その落差が激しすぎて躊躇してしまいます。

 

私のゲームに対する地理的・文化的な関心が近年広がりつつあり楽しめていましたが、この情勢でゲームと悲しさが結びついてしまいました。
現代、繋がりすぎだし速すぎます。

0 comments :

コメントを投稿