ゲーム感想『DOOM II : Hell on Earth』

2020-11-30

ゲーム感想『DOOM II : Hell on Earth』


強いネタバレなしのつもりで一応書いています。

始めたのは昨年だったと思います。
リブート作品の Doom (2016) の続きが気になり ( Eternal は未発売 )、「それなら Doom 続編だし近いものであろう II をやろう」とプレイ。
しかし、Map13 で行き詰り攻略できずにそのままお蔵入り…の状態でした。

そして II を中断したまま今年3月に待望の Doom Eternal を迎えますが、戦闘狂の要素が強すぎて世間の高評判とは噛み合わず、これはどうも違う…と違和感を抱きます。
旧作を確認すべくプレイした Doom 64 で、デーモンスレイヤーという役目よりもホラーテイストを強く含んだ作風を味わって、求めるものがそこにあることを確信。
今年9月に Doom II のネイティブ動作バージョンが Steam に来てたこともあって再開しようと決めたのでした。

DOOM & DOOM II Update - September 3 | Bethesda.net
https://slayersclub.bethesda.net/en/article/Cfuf9wL5enNxkx90hfJ21/doom-and-doom-ii-update-september-3





プレイ再開

以前プレイしていた DOSBox ver. からのセーブデータの引継ぎはできないようだったので、初めから新しくプレイし直しました。
以前も苦労した Map10 を超え、行き詰っていた Map13 もなんとか突破。
勢いづいて日々 1,2 レベルのペースで進めていましたが、そのときは知りませんでした。
この難易度がまだまだ序の口であると。

ある日 Map17 から Esc キーのセーブメニューが出ず、代わりにゲーム継続を促すメッセージが出るという状況に陥ります。
セーブ不可のシークレットレベルか何かかと思い、いけるトコまで行くしかないと決意。



徐々に激しくなる敵の量、死にながらも敵の配置を覚えて記憶。
心もとない量の弾薬消費を抑え、より良い攻略ルートを拓く。
エイムの操作は冴えわたり、敵の攻撃を最小の動きで避けられるように。
Map16:Suburbs の四面楚歌っぷりで途方にくれたり、Map20:The Citadel で余計なキーで騙されての怒りであったり、Map21:Gotcha! の頂上決戦をぎりぎりの弾薬で切り抜け苦戦していたり。
そうこうプレイしていると次第に、待ち構えている Doom II の仕掛けを初見で警戒できるようになってきて、スイッチが入り気分はすっかり Doomguy 。


チュートリアルのような親切な仕組みなしで、わが子を崖から落とすようにスキルの習熟を求められるゲームって、この時代ならではだと思います。
高難易度ゲームが多い時代であったとも言えますが、現代は習熟せずとも飽きさせない離さないように浅めのプレイを許しているところがあるよなと、本作を通して逆に思うのでした。
それでも Hurt me plenty 以下の難易度が2つもある時点で、十分に寛容なゲームなのですけど、そこは私の『"普通難易度" 以上でやらねばゲームメイカーの真意は汲み取れない』という矜持のようなものです。 :p


結局、セーブ妨害のジョークメニューが表示される条件は不明ですが、Esc 二連打で通常メニューが出ることに気づき、長時間プレイの日は無事終えられました。Map 16 から 22 までの長時間プレイの成果とともに…。
(マップクリア時のスコアが All 100% だったのでそれかも。)



プレイ終えて

攻略にかなり苦労して、前回含め合計時間 40h とけっこうかかりましたが、とても満足いく作品でした。
無事最後のマップを終えたときは感無量で、初作の DOOM もプレイして『いつどこからこの DOOM II になったのか見なければならぬ』と誓うのでした。
感想メモはプレイ後にすぐ書いてたので I 未プレイ時のですが、文章整えている今 11/30 ではすでにプレイ済み。 I の感想はまた別に書くつもりです。

どちらもプレイした今 II に対して思うのは、 II こそが私が 64 / II をプレイする前に想像していた DOOM Classic というコトでした。
敵が物量で襲ってくる戦闘なども臨場感あっていいのですが、静かな場面に響くデーモンの呻き声などの地獄の兵士に対する恐怖を煽られる部分など、昔はリソース不足から省いた結果の静けさだったのかもしれませんが、静と動をよく感じさせられて DOOM II が好きな理由になっています。
苦労する部分も多かったのですが、思い入れも深くなってよかったです。




リブート DOOM と比べて

時代も開発規模も異なるので比べにくいですが、リブートを名乗るからには比較しなければ。

2016 / Eternal はクリーチャー・武器・環境・エフェクトのグラフィックは精細だし、敵に対する弱点武器の選定とグローリーキルのコンボ、そのローテーションに非の打ちどころもなく皆がすばらしいと褒める最高のシステムを持っていて、一流レストランのシェフが高級食材をそろえトップクラスの調理法、熟練のウェイターが丁重にもてなす高級料理みたいなもので、みな絶賛するよねという感じです。

それに対して、DOOM II: Hell on Earth は今プレイすると現代的ゲームへの発展段階といえる粗さがあります。
マップはプレイヤーに不親切どころか忍耐を試す陰湿さ、武器残弾数を気にしながらルートを考慮しなければならない不自由さ、ロケットの自傷ダメージを主に使いどころを誤った武器のペナルティ、はまると死を免れない野蛮な落とし穴、畳二畳の閉所・一本道の通路で難敵と鉢合わせさせる意地の悪さ、おまけにセーブメニューを通常の方法で出せなくするという悪いジョークの極み。(これは移植版からのものかも)
とことんプレイヤーを苦しめに来るそのゲームの構成には、一見無理難題を突き付けて突き放すような厳しさを感じますがそこは乗り越えるべきハードルで、何度も死にながら試している中でプレイヤーの動きは洗練されていき、エイムは冴えわたり、敵に先んじて動けた末の上達の快感と、地獄の軍団らと孤軍奮闘する Marine への没入感があります。

そういう粗雑さを良しとするかと思えば、敵同士のフレンドリーファイアが有効でヘイトも持つようになっていて、プレイヤーそっちのけで殺し合いに興じる場面もあったり、随所にシークレットアイテムでの補給があったり。
特に Barrels o' Fun のような遊び心あふれるマップとか、きっと I で閃きを得た開発者の想像力の末の産物なのだろうなと、一時 Doomguy がジョン・マクレーン気分でした。
飴と鞭というか、言うなれば戦いに明け暮れ疲れたプレイヤーに希望を与え鼓舞してくれるような、そんな寛容さも併せ持っています。


人に薦めるならもちろんリブート DOOM なのですが、エイムも1軸でその分だけ楽に感じたり、(現代では) 解像度低いゲーム全般にいえる想像力での世界観補完であったり、DOOM II もしくは 64 を薦めるのも悪くないです。
とくに FPS ジャンルが配信などで人気になる反面、ハードル高く感じるようなら、この1軸エイムジャンルってまだチャンスあるんじゃないかと可能性感じたり。

敵の密集地点へのロケット、隙を見せないチェインガン、いずれも頼れる武器ではあるのですがやはり、すべての敵をぶっ飛ばすショットガン、その発射音・装填・再連射のリズム。
その感触を DOOM II: Hell on Earth にて味わってほしいものです。

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