原神たのしいよ
フレンドとの付き合いで少し試す程度のつもりだった『原神』。
マルチプレイ下限を目指すうちに、どっぷり浸かってしまってまだひと月も経ってない人がべた褒める文です。
きっかけ
思いっきりキャラクター&アイテムのガチャを根幹に据えたビジネスな作りで、プレイ前にも P2W 要素強そうと見て触らずにいたのですが、実際プレイしてみるとそのシステムへの嫌悪感を覆すくらいの質・量・密度の世界観補完がなされるオープンワールドっぷりで圧倒されてしまいました。
「これだけ用意してくるなら認めざるをえない…くやしい…」
「これ BotW のパクリとか言うやつ何見てるんだよ」
と手のひら返して切りかかるくらいには、 (翻訳以外) 褒めるしかない出来栄えのゲームなのです。
どのくらいはまっているかというと、特に動画記録せずたまにスクリーンショット撮ったりしていたのが、風景が美しいとか内容が面白いとかで気づいたら 3000 枚超えてる程度には。
実装されてるメインストーリーだけはようやくアップデートに追いついたかなというくらいで、ひと段落したところ。
たまに通知がくるマルチプレイの誘いは一切無視していたのですが、他の人どうなんだろと雑談のつもりで受けてみたのですが、AR (冒険者ランク) 同じにも関わらずキャラクターが強い強い。
やはりこの手の P2W ゲームでのマルチプレイでは、相手は選ばないといけないなと思い直しました。
コミュニケーション目的と割り切ってゲーム本体を気にしないならいいのですけど、このゲームのキャラクター・ストーリー要素とオープンワールドとして用意された風景・建物・住民を好きになってしまったので、そこをおざなりにはできないのですよね。
マルチプレイにペースが引っ張られてしまうと金銭的な悩みであったり、プレイ頻度・密度が損なわれてしまいます。
開発者の意図をゲームから読み解くのが好きで、練られたストーリーであったり、隙のないキャラクター・時代設定であったり、そこを良く味わいたいです。
ゲームバランス・レベルデザインの巧拙も『ゲームの美しさ』と見ているので、外部目的のために攻略を早めたり、攻略情報に触れるコトすら避けたいほど。
『原神』はよくできていますし最低限の MO 機能はありますが、現状では自分のペースで堪能するかマッチングを利用したマルチプレイを楽しむかの両立は難しそうです。
それにしてもこの手の P2W な作りのゲーム、韓国が作り日本が鍛えた中で、中国がオープンワールドぶっこんで完成させてくる。
ビジネス面でも結果を出していてプレイヤーも賛否あれど満足させるなんて、ビデオゲーム極まってるなと感じ入る想いがあります。
いいところ
『原神』は本当に細部までよく作られていて、
- キャラクターのアイドリング演出、会話中のリアクション、ボイスの細かさ。
- ストーリー進行中の会話シーン外でのセリフ演出。
- モブキャラのリアクションの周到さ。(スキル使用時、任務クリア時)
- キャラクター足の接地角度調整、ポリゴン貫通の少なさ。
- 3D フィールドを全方位生かす登攀、飛行の上下移動、地形アクセス系スキル。
- 中だるみしないように工夫された演出。 (パイモン、プレイヤーの代弁選択肢)
などなど、パターンに入ったような作りを見せないような細部の努力が感じられます。
それだけではなく、ディテールを抑えたキャラデザイン・背景を、モバイル向けのメリットにうまく迎合させていて、開発規模が大きいからこそ成し遂げていて見事。
丹念に作りこまれた作品という意味では BotW リスペクトと言っても差し支えなしでしょう。
この出来だからこその不満
べた褒めな『原神』ですが、欠点なのがテキスト絡みの校正・命名・翻訳。
日本語翻訳・命名はたぶん日本語選任の担当者いないかコアに関われてない、それくらいのレベルで特に『璃月』関連の命名がひどすぎます。
少なければユニークネームの印象付けに使う手法もありますが、常用漢字外のなじみのない字がてんこ盛りだし、カッコつきのフリガナもなし、モブキャラにはカタカナ表記の人物もありますがメインキャラクターの漢字と読みの組み合わせが難しすぎます。 (表記揺れまではないし、ある程度慣れるけど…)
例えば、『香菱 (シャンリン) / Xianling』は中国語読みを採用していますが、『七七 (ナナ) / QiQi』の発音の小さな違いに始まり、『凝光 (ギョウコウ) / Ningguang』『刻晴 (コクセイ) / Keqing』に至っては日本漢字向けの読みの採用。
ローカライズ優先のようにも見えますが、他のテキスト・ボイスなしセリフの分かりづらい日本語、日本では使わない漢字の使い方などがあり、設定段階では中国語中心でローカライズ考慮薄めのようで、翻訳部分も不十分な部分が目立ちます。
(ボイス絡みはさすがにフィードバックがあるのか多少まし)
海外のゲームだし…とあきらめたくとも、$100M かけてるゲームなのに、ここまで見事に作りこまれているのに、現状 Cn / En / Jp の三言語で済んでいるうちなのにこんな文章・翻訳でリリースしてしまうのか…と本当に残念です。
私が中国語メインの翻訳済みゲームに触れたのは多くないので普通はそんなものかもしれませんし、 LoL であったり DOOM であったりローカライズ重視されて良く翻訳されたビッグタイトルに慣れ過ぎただけかもしれません。
大量のテキストがあって設定からローカライズとはいかなかっただけかもしれません。
でもなぁ…と他がいいだけに惜しむ部分なのでした。
またあとで来よう、今は他を探索しよう
あまり意識してませんでしたが、主人公 (プレイヤー) に付き添うキャラクター、本作だとパイモンになるのですが、パイモンが (時には主人公も) プレイヤーの代わりにしつこくない程度にメタ視点も取り入れて突っ込んでくれます。
先を読めてしまうストーリーをダレずに進める助けにもなっていますし、キャラクターの掛け合いも楽しめるいい人物構成だと実感しました。
考えてみると、プレイヤー補佐の役割をもったキャラクターって、フィクションの物語に耐性がついた現代人にとって大事ですね。
そんなパイモンでも黒幕説を押していきたいところですがはてさて。
不満もありますが、ストーリー・世界観追いかけで充実していて満足もしている本作。
ちょうどストアの方の Game Awards ではノミネートされたという通知はきてましたが、『原神』自体は独自の発明があったというわけではなく、既存要素の組み合わせなのですよね。 でも、それらを高いレベルで合わせられているからすごい。
まだ七か国中の二か国のボリュームのようなので、これからも楽しめそうです。
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