ゲーム感想『Control』

2021-06-16

ゲーム感想『Control』


ミステリアスで面白そう、少しプレイしてみるかと触ってみたところ、常識をぶっとばす魅力に惹かれ一気にやってしまいました。
※ おおまかな流れ話すのでネタバレ軽く含みます注意。
…なのですが私が書く内容がネタバレとして説得力があるかというと怪しい本作。

 

行方不明の弟を探し求め、超常現象の対処機関 FBC (Federal Bureau of Control) に到着後、局長に即着任してしまった主人公ジェシー。
そんな不自然な流れでもすぐにジェシーを受け入れて、問題解決のために任務にあたるという奇妙な局内状況からゲームは始まります。

「現実では会話の流れはこうはならないよな」
「まぁゲームだし省かれた結果の演出、お約束か」
というゲームならではの許される『ずれ』を感じるときがあると思いますが、『Control』ではその『ずれ』が強調されて、非現実的にゆがんだ世界と奇妙で危うい人物たちが効果的に描かれています。


意味深なセリフやゆがんだ噛み合わない会話は、半端に謎が残った気分にさせられるだけで不快なのですが、本作は全員思考回路がぶっ飛んで世界もぐちゃぐちゃ(文字通り)なので、未知の用語が当然のように飛び交う会話を前にしても、「なるほどそうだったのね」とアンリアル納得させられてしまうパワーがあるのです。

ジェシーの視点を通して語られる物語、プレイ最中はおろかエンディング到達後ですら事件の流れが理解不能。
局員がおかしいのか、ジェシーがおかしいのか、そもそも弟と別れた時点で狂ってしまったのか、すべては幻で記憶の反芻を見せられているのか。
これを書いている私がすでに狂っていて、 Control のストーリーを正しく理解できていないだけなのかもしれません。

そんなふわふわした思いを抱えたまま20時間近く付き合ってしまうほど、不条理で非現実的な世界を、立派な演出で真面目に表現しきっている、「すごいけど何なんだこれ」という問題作であり、先が気になってプレイせずにはいられない魅力を併せ持つ快作でもあります。

 

好きすぎる部分
- 『連邦操作局』とか日本語ならではの神懸った翻訳だと思う。
- 照明コードを引っ張るトコ。 しかも3回。 ドゥーン。
- 冷蔵庫とフィリップ。
- 迷宮の壁演出、プレイアブルなタイミングに組み込むの強すぎ。
- エンディング後の後日談(やりこみ要素)が話の続きとして調和してる。

弱いところとしては、新要素が順次解禁されていくけど TPS として敵を倒すパターンが見え始めてきて若干だれる、強化要素の整理しづらさ、道に迷いやすい (ミニマップほしい)、翻訳はよくやってるけど噛み合ってない部分がある などありますが、本作の良さを損ねるほどではなく問題なし。


理解できないからもっと注意して読み解こうと思わされる、こんなパワーのある作品を浴びてしまっては、その他の作品と同じような一般的な感想ですら本作には不適格な気がしてきます。
エンディング後の要素はちょっと難易度高めだったのであまり進められてないのですが、本編で心地よい満足感を得られたのでこのまま終わるのも好し、 Steam あたりでセール来たら DLC 込みでやり直すのもいいかなと考えています。

クオリティは十分だけど無条件で人に薦めてはいけない、なかなか出会えない異色の出来、別世界を見せてくれるこれぞゲーム!美しい!と見事に堪能させてくれました。


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