02.2021

2021-02-10

ゲーム感想『Frostpunk』


タイトルの通り、期間限定値引きな Xbox Game Pass に付属してきた極寒サバイバルシティシミュレーター『Frostpunk』に大嵌りしています。


それまで市街運営ゲームは Sim City や Cities: Skylines をプレイして楽しんだことはありますが、強めの災害オプションなどはすべてオフの環境で遊んでいて、自分好みの街並みと収支プラスで基本安定!の二つの目標の両立をゴールとして楽しんでいました。

しかしこの Frostpunk はそれらのタイトルとは一味も二味以上にも違います。
温暖ぬくぬくな甘っちょろいゲームを蹴っ飛ばす強烈な寒波災害が街をギタギタに叩きのめしていきます。
好んでいたゲームとタイプが違うので「良い評判よく聞くゲームだな」くらいでスルーしていたのですが、Xbox Game Pass せっかくあるんだし触ってみようと手を出したが最後。
はじめたてはここに建物置くと見栄え悪いかななんて思いながらプレイしていたのですが、そんな甘い考えでは人類滅亡の寒波に耐えるコトなど、もちろんできません。
住宅・建築物の室温キープのための配置・優先付けと、人々の抱く「不満」「希望」を管理しながら街を再興して運営していくのですが、慣れないうちはこの調整が難しい。
しかし理不尽すぎる難易度というわけでもなく、何度か試しているうちに優先すべきコトがわかってきて、先へと進めるようになります。

そして難易度だけではなく、人としてのモラル・判断基準を問うような選択が絡み合っていて、それらが必要な場面がたくさん押し寄せてきます。
例えば、生存のためにゲーム攻略として有利だが市民を犠牲にする選択であったり、(おそらく) ゲーム内デメリットがないが人類史保全の意識に問いかける選択であったり、「監視塔」「プロパガンダ」「児童労働」などの中立的なゲーム内テキストとその状況に必然とされる内容の容認など、他のタイトルではゲームだから架空だからいいよねと無視して気にならなかった選択の重みを、この Frostpunk は強く感じさせてくれます。

メインの「新しい家」 のほかに3つのエピソード・プレイ環境が収められており、とくに4つ目の「ウィンターホームの滅亡」では結末がすでに明らかになっている本作の前日譚で、プレイしていく中でその苛烈なストーリー展開は胸にグッとくるものがあるのでした。

単なる高難易度ゲームにはない、他のメディアではなくまさにゲームでしか表現できなかった内容であり、これはたくさんの Award 受賞して当然、べた褒め必須だよというすばらしい作品でした。

難点というほどではないですが、Xbox でゲームパッド使用でプレイしていたので、細かい操作を要求されるとゲームパッドでプレイし続けるのは疲れるので、マウスサポートほしかったなという不満は一応あります。
プレイ環境選べる人は PC がいいです。 セールきたら Steam で買い直そうかな。

その開発に携わるのは 11bit Studios 。
どのくらいの開発メンバーが継続しているかは未チェックですが、よくよく見てみるとゲーム画面の色づくりでもハードな世界観でも、私の好きな Anomaly シリーズ、This War of Mine と似通っている部分があり、 11bit Studios らしさを感じるのでした。
これはそろそろ新作を必ず買う/チェックするリストに入れなければならないかなぁ。

暗いムードに包まれたストーリーではありますがが、初プレイ時には文字通り手に汗握ったサバイバルストラテジーな状況把握の緊迫感と、場面描写寄りな音作りのおかげで、気が滅入ることはそこまでなかったです。
Frostpunk おすすめです。