02.2019

2019-02-28

ゲーム紹介『The Textorcist: The Story of Ray Bibbia』


The Textorcist: The Story of Ray Bibbia 『レイ・ビッビアの物語』
https://store.steampowered.com/app/940680/The_Textorcist_The_Story_of_Ray_Bibbia/
昨年末トライアルをプレイしたときにはこんなに夢中になるとは思わなかったこの内容。
どんなゲームか紹介したいと思います。
(ネタバレはあまりありません。先の場面の画像はありますが差しさわりない程度のはず。)



Pray the god of peace to crush Satan

プレイヤー主人公レイ・ビッビアの目的は、世にはびこる悪魔らを退散・消滅させること。
対悪魔の戦闘パートは、大量の敵弾を潜り抜ける回避行動と、言霊をタイピング詠唱して敵にダメージを与える攻撃手段、おもにこの2つを駆使・研鑽して戦っていくことになります。
すべてのアクションをタイプして進む探索パート、謎解きなどちょっとだけありますが、基本はエクソシストとして悪魔に抗する戦闘がこのゲームの核です。


悪魔と対するとき、レイの左手は本を掲げ、その右指は天を差し、その唇は神聖なる言霊を発します。
プレイヤーのライフは3ポイント。
敵から攻撃を受けるとレイの身代わりとなって本が飛ばされ落としてしまいます。
本を持たない状態では詠唱(タイピング)を続けられず、またそこで攻撃を受けてしまうとライフが減り、0になると敗北です。
さらに本を落とした状態で一定時間経過すると、タイピングがリセットされワンフレーズ入力しなおしになりますので、被弾したあとは続けて攻撃を受けないように本を拾いなおして攻めの体勢を立て直すという流れです。





Ego Voco Diaboli

ぱっと見た分では 『弾幕シューティング』 + 『タイピングゲーム』 という印象を受けるでしょう。
画面を埋め尽くす敵の攻撃から避けて生存する『弾幕シューティング(の回避)』と、速く正確な入力が有効になる『タイピングゲーム』の骨組みを備えていることはたしかで、その両方の力を求められるゲームです。

初めのうちは速度に任せたタイプで押し切ることもできますが、物語が進むにつれ、回避メインの動きを強いられるように。
そんななか敵の悪魔の激しい攻撃を避けながら聖句(英語・ラテン語)をタイプすることは難しく、悪魔に打ち負け、何度もリトライをすることになります。リトライを続けていく中で、打ち込むべき聖句は頭に刻まこまれ、指が聖句を追うように次第にスムーズに詠唱タイピングできるようになっていきます。
ワンフレーズ打ち切ると、悪魔に対して1ライフ分のダメージを与え、それと同時に弾消し効果が発生します。敵の攻撃があたるギリギリのタイミングであろうと、ワンフレーズ打ちこみの弾消し効果でレイ(プレイヤー)は助かります。


 この行為はレイとプレイヤーを結び付ける役割を果たします。

「聖句を暗唱すれば救われた? 」「祈りが神に届いたのか?」
「これらの行為は退魔術だったのか?」
「魔を払うレイの動きを司るプレイヤー、私はエクソシスト…?」

そう、ロールプレイ!
このゲームに秘められし真のジャンルは『エクソシスト・ロールプレイング』だったのです。



Et nunc, Et semper, In saecula seculorum, Amen

タイピングとアクションを組み合わせるという意表をついたジャンルの選択。
本というバッファでのフラストレーション抑制・難易度緩和の工夫が見られるシステム。
魔法陣、タイル模様、飛散する血肉から滴り落ちる血まで丁寧に描写された2Dグラフィック。
パターンは少ないながらも滑らかに動くキャラクターアニメーション。 個性が見られる敵弾の軌跡。
悪魔の息吹を感じる環境音、連続タイプの心地よい効果音。
闇に対抗するレイの状況をしっかり演出してくれるメタルミュージック。
物語を通してレイとその関係者にまつわる過去をまとめあげたバックグラウンド描写。

細かい不満も不具合もそれなりにありますが、それでも引き込まれてプレイしてしまうほどの丁寧なゲーム作り、レイ・ビッビアの気になる行く末、開発元の熱意とクオリティを感じて楽しく味わえたゲームなのでした。
Hallelujah !!



プレイ記録。


以下、攻略覚え書き。
- 移動は縦横直線よりも斜め移動が速い。
- ゲームパッドでの移動速度はキーボード矢印キー移動より速い。
- 地形障壁もしくは地形端は弾消しの当たり判定が存在するフィールドもある。
- 当たり判定が大きめの敵弾は弾消し壁に接触しやすい。
- フィールドの隅が半安全地帯のところもある。
- 敵弾をあえてもらう場合は本のバウンド範囲も考えた位置であたる。
- 弾消し効果で敵弾パターンのウェーブをコントロールした方が有利の場合もある。